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サバイバー 55 ~堀ちえみさんのケース・後編~


前回の続き・・・。


番組では、 14 歳で芸能界入りし、若くして成功した堀さんだが、その人生は様々な病気との戦いの人生であったことを紹介していた。


34 歳の時、“突発性重症急性すい炎”を発症。


“突発性重症急性すい炎”とは、何らかの原因ですい液がすい臓自体を溶かし炎症を引き起こし激痛を伴う病

で、治療は想像を絶するほどつらいらしい・・・。


その治療法は、 1ケ月ほど水分・食べ物を口から摂取できず点滴のみで生活しなければいけないという。


48 歳の時、“突発性大腿骨頭壊死症”を発症。


“突発性大腿骨頭壊死症”とは、何らかの原因で大腿骨に血液が行き渡らず壊死し、そこに荷重がかかり、押

しつぶされることで激痛を伴う病らしい・・・。


堀さんは、人工関節を入れる手術を受ける。


50歳の時、“リウマチ”を発症。


“リウマチ”は、自己の免疫が主に手足の関節を侵し、これにより関節痛、関節の変形が生じる代表的な膠原病の 1 つで、炎症性自己免疫疾患である。


前述したが、堀さんは、薬で痛みをようやく抑え込むことが出来ていた。


そして、“舌がん”である。


美容室で髪を切りながら、人生を振り返る。


「私の人生これで終わってもいいのかもね・・・」


痛みに耐え続ける人生にも嫌気がさしていた。


「たとえ手術が成功しても、もう普通にしゃべれることは無いのか・・・。」


堀さんは、「治療をやめて緩和ケアを選ぼう」と心に決める。


ご主人と合流し帰宅する堀さん。


子供たちに「緩和ケアで行こうかなと思っている」と自身の気持ちを打ち明ける。


その時、一番下の娘が泣きながら声を上げる。


「なんでそんなこと言うの?手術が一番生存率高いんでしょ?私まだ 16 歳だよ、まだお母さんと 16 年しか

一緒にいなんだよ!しゃべれなくなっても話聞いてくれるだけでもいいから、お願い、もっと側にいてよ」


その娘の言葉にハッとし、「自分の命は自分だけのものではない、この命は家族のものでもあるのだ」と気付

かされた。


翌日、 CT 、 MRI 、様々な精密検査が行われた。


医師からは 1 週間ほど検査入院が必要と言われたが予定が取れず、必要最小限の検査に変更して 1 泊 2 日で行った。


その検査から 13 日後、検査の結果、“扁平上皮がん”と診断。


舌のがんの大きさは 3㎝ ほどで、 1 ~ 4 段階で 3 段階、首はリンパ節転移が認められ 1 ~ 3 段階中 2 段階

で、以上を総合的に判定するとステージは 4 となった。


5 年生存率は 50%。


手術は 2 週間後となった。


手術までの 2 週間にも恐怖にさいなまれる。


「あっという間に体中にがんが広がるのではないか?」


これは私も覚えた感覚である。


実際、医師に尋ねている。


進行の早い舌がんに対する恐怖があるからだ。


堀さんは身辺整理を始める。


堀さんは身辺整理を始める。


独立している子供たちに家族写真を送り、個人事務所のお金の管理をご主人に引き継ぐ。


手術の3日前に入院。


病室からブログを更新し、“がん”を公表。



2019 年 2 月 22 日、手術は口腔外科、耳鼻咽喉科、形成外科の混合チームで行われた。


腫瘍の大きさは約 3 ㎝あり舌の 6 割以上を切除する必要があった。


現実には、舌は喉の奥まであるので、目に見えている部分のほとんどが切除された。


さらに転移が見つかった左の首のリンパ節を全て切除。


11 時間以上もかかる大手術だった。


手術の成功を受け、命の希望が大きく膨らんだ堀さんは前向きに舌の訓練を開始する。


ゼリーを舌の上に乗せ飲み込む。

ある程度これができるようになると、次は、発声練習へと進む。

そして、舌がんの手術から 2 週間後、病変が完全に切除されている事が確認されたため、抗がん剤治療や放射

線治療は必ずしも必要ないと判断される。


そして、本来は手術前に受ける予定だったが、仕事のために後回しになっていた胃カメラなどの検査を受けることになる。


安心したのもつかの間、この検査で、消化器内科医の医師から、「食道の上部に気になるポリープが見つかった」ことが告げられる。


既に、転移しているものであれば、この先いろんなところに転移が見つかるかもしれない・・・。


入院から約 1 か月後、食道のポリープが悪性かの結果はまだ出ていないが、舌の回復は順調だったため予定通

り一時退院となる。


「食道への転移・・・、やはり体中にがんに侵されていたんだ・・・。この先、何度、手術に耐えなければな

らないのか?」


恐怖に駆られる。


その数日後、「食道にできていたポリープは悪性でした」と検査結果が告げられる。


絶望的な気持ちになった堀さんとご主人だったが、医師が継いだ言葉に安堵を覚える。


「・・・ですが、これは舌がんが転移したものではないです。全く別でできた物です。幸い発見が早かったのでステージで言えば 0 です。食道以外の箇所も検査しましたが、他に異常は見られませんでした」


食道のがん細胞は、舌がんからの手にではなく、同時期に他の臓器に出来る“重複がん”で、幸いにも粘膜層

内にととどまっているということだった。


内視鏡を用い、わずか 1 時間で食道がんを取り除き、この手術から 10 日後には退院。


退院後も定期的に検査を受け、異常は見つからなかった。


医師の「異状なし」を聞くたびに安堵が広がる。


不安が取り除かれたちえみはボイストレーニングを再開するが、一方で芸能界復帰など考えることはなかった

という。


そんな頃、末娘から「しゃべり方が恥ずかしいと思うなら別に復帰しなくてもいいと思うけど、はたくさんの

ファンの人が待ってるんじゃないの?」と問いかけられ、自分が芸能界を諦めていたのは、以前と違う自分をさらけ出すのが恥ずかしかっただけかもしれないと気づく。


やはり家族の支えは心強い。


2020 年 8 月、手術後初めての歌を「24時間テレビ」で披露し復活を遂げる。


2023 年には復活ライブを開催。


そして 2024 年 2 月、舌がんに関して医師から完治を告げられる。


番組では、この後に、堀さんに対する誹謗中傷で、刑事事件にまで及んだことが放送されていたが当 Blog は

ここまでとする。


ゲスト出演していた堀さんだが、喋り方はぎこちないが、とても舌のほとんどを舌除した喋り方とは思えないくらい聞き取れた。


大変なリハビリをされてきたのだろうことが想像がつく。


堀さんの完治 は同じ病になったものとして心強い。


死への恐怖・・・。


転移の恐怖・・・。


仕事の不安・・・。


家族への愛・・・。


“がん”に罹ると、頭の中に色んな思考が浮かんでは消える。


次回、私の話へ戻る・・・。

 

 
 
 

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