
前回の続き・・・。
2 F 23 番へ家内と向かう。

頭頚部外科受付にて・・・。
私:「(受診票)を渡しながらよろしくお願います。」
受:「はい。お名前を確認しますのでフルネームでお願いします。」
私:「ささだきょういちです。」
受:「誕生日もお願いします。」
私:「 1964 年 3 月 17 日です。」
受:「では、■■ 番の診察室からお呼びしますので、こちらの問診票に回答していただいて、診察室の前でおかけになって待ちください。」
私:「はい。」
診察室前の椅子には数人がかけていた。
皆、家族を伴っている。
問診票を書きながら・・・。
私:「一日のアルコール摂取量だってさ(笑)。」
家:「書く単位があるん?(笑)。」
私:「ああ、日本酒何本とかいう書き方やから大丈夫やわ(笑)。」
待つことしばし・・・。
9 時 40 分位。
看護師:「 〇〇〇 番の方、 〇〇〇 番の方~。」
私:「はい。」
受診票を見せながら・・・。
看:「お名前に間違いないですか?」
私:「はい。」
看:「問診票はお書きになりましたか?」
私:「はい。」
看:「お預かりします。」
看:「今日はおひとりですか?」
私:「いえ、家内と一緒に。」
看:「はい。」
私:「診察室へは一緒に入った方が良いんでしょうか?」
看:「一緒にお聞きになられるのであればその方が良いと思います。」
私:「わかりました。」
看:「番号で呼ばれますので、呼ばれたら診察室へお入りください。」
それから間もなく・・・。
電光掲示板にポーンという音と伴に、 〇〇〇 番と掲示され、「 〇〇〇 番の方、 ■■ 番へお入りください。」とアナウンスが入る。
予約時間の 10 時より前である。
声:「待たされないのは助かるなあ・・・。」
ノックして、診察室のドアを開ける。
私:「おはようございます。」
医:「佐々田さんですね。医師の◎◎です。よろしくお願いします。」
私:「よろしくお願いします。」
医:「こちらへおかけください。」
私:「はい。」
医:「まずは口の中を診ますね~。口を開けてください。」
私:「はい。」
医:「舌を上にあげてください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「舌を前に出してください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「舌を右に寄せてください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「舌を左に寄せてください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「はい。ありがとうございます。次に、写真を撮ります。」
私:「はい。」
医:「舌を上に付けてください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「舌を上に付けながら左に寄せられますか?」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「はい。次に、舌を上に付けながら右に寄せられますか?」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「はい。ありがとうございます。舌を前に出してください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「はい。舌を前に出しながら右に寄せられますか?」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「すいません、もう少し前に出して自分で舌を抑えれますか?」
私:「・・・。(指示に従う)」
声:「自分の舌を持つのなんて人生初だな・・・(笑)。」
医:「はい。次に、左に寄せてください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「同じように、舌を抑えてください。」
私:「・・・。(指示に従う)」
医:「はい。ありがとうございました。次に、舌を触りますね。痛かったら教えてください。」
私:「はい。」
医師が私の舌を触診する。
医:「ここは痛くないですか?」
私:「(舌を出したまま)いいえ・・・。」
医:「ここはどうですか?」
私:「(舌を出したまま)いいえ・・・。」
医:「はい。ありがとうございました。」
医師は PC のカルテに症状を書き込み始める。
私:「昨日の昨日まで、全く腫瘍に気付いていなかったんです。」
医:「そうなんですね。」
私:「歯に物が挟まった時に取ろうとしたら痛い程度だったもんで・・・。」
医:「はい。」
医師は更にカルテに書き込む。
私:「佐々田さん。詳しく検査をしなければはっきりとは言えませんが、経験上、がんだと思います。」
私:「はい。」
この時の私は明鏡止水の心境だった。

1996 年 1 月、私が 31 歳の時に母を多臓器がんで亡くし・・・。
2013 年 11 月、父が医がんで胃の全摘手術を受け・・・。
2023 年 8 月、兄が 63 歳の若さでがんで他界・・・。
母方の祖母も、伯父も伯母も、叔父も叔母も、皆、がんで亡くなっている。
抗酸化工法の家に住んで抗酸化工法の職場で仕事をし、抗酸化のどぶ漬けの生活をしていても DNA には抗えないようだ(笑)。
日本では 2 人に 1 人ががんにかかり、 3 人に 1 人ががんで死亡するといわれているのだからがん家系のわたしががんになるのは当然と言えば当然であろう。
病気の中の一つくらいの感じでありがままを受け入れ、左程のショックもなかった。
次の一手は如何にしたら良いかを早く聞きたかった言うのは本音だった。
医:「ステージとかを気にされる方がいらっしゃるので、先に伝えますが、ステージ Ⅱ です。」
私:「はい。」
医:「基本は、腫瘍の部位の切除術になります。」
私:「はい。」
医:「ただ、触診した感じだと浸潤している感はなさそうです。リンパの方も腫れはないですが、これから詳しい検査をしていかなければはっきりとは言えません。」
私:「はい。」
医:「 CT 、 MRI 、PET 、組織検査、胃カメラ等々の検査の予約を入れていきます。」
私:「はい。」
医:「今日、受けられる診査はこれから受けていってください。」
私:「はい。」
医:「その他の予約が必要な検査は、改めて、ご案内します。」
私:「はい。」
医:「何かご質問はありますか?」
私:「写真で改めてみると、大きさが分かるんですけど、どのくらい前に出来ていたんですかね?」
医:「多分、この大きさだと。 3 ケ月くらい前じゃないですかね~。」
私:「ああ。全く気付かなかったな~。」
医:「奥様は何かありますか?」
家:「いいえ。特には・・・。」
医:「では、待合室でお待ちください。」
私:「はい。」
次回へ・・・。
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